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歯とお口の健康情報

ごぞんじですか?歯周病が及ぼす全身への影響

最近では「お口の健康は全身の健康の源」と言われ、一般の方々の間でも、お口の健康への関心が高まっています。特に、むし歯や歯周病など歯科領域の症状や治療が身体にも影響を与えることや、逆に身体の変化や症状がお口の中に及ぼす影響について関心が寄せられています。

その中でも、生活習慣病の一つである歯周病が身体に及ぼす影響としては、心臓・循環器疾患や糖尿病といった他の生活習慣病に深く関わっていることが明らかになってきました。

つまり、歯周病を予防し、治療後は適切に管理して再発を未然に防ぐことが、身体全体の健康維持につながることになるのです。

いつまでも元気に年を重ねていくためにも、歯周病と身体の関係について理解を深めていただき、健口(健康)を維持していきましょう。

現在、成人の約8割が歯周病に罹っていると報告されています。
国民病ともいえる、歯周病の正しい知識を持つことが大切です。

歯周病とは?

成人だけではなく若年者にも多くみられる国民病

歯周病は、歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織(下図参照)が、お口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患。歯を失う最も大きな原因となっています。
厚生労働省が行なった調査では、成人(30〜64歳)の約8割が歯周病に罹っているという結果がみられました。また、同調査から、成人だけではなく若年者も多く罹患していることがわかりました。さらには、小・中学校の学校歯科健診において歯周病と判定される児童や生徒が増えているという報告もあります。このような現実から、歯周病は私たち日本人の“国民病”とまで言われているのです。

歯周病の症状とは?

一般的に歯周病は、歯肉炎と歯周炎に大別されます。健康な歯肉(歯ぐき)は、淡いピンク色をして引きしまっていますが、適切なブラッシングが出来ていないと歯肉に炎症が起こり、赤みや腫れ、出血などがみられます。これが歯肉炎の症状です。

また、歯肉炎が改善されないまま、深部の歯周組織にまで炎症が波及すると、歯と歯肉の境目の溝(歯肉溝)が深くなり、歯周ポケットが形成されます。正常な状態で約1㎜だった歯と歯肉の境目の溝が4〜5㎜と深くなっていくと、X線写真上で歯槽骨の吸収が明らかになり、ここまで進行したものを歯周炎と言います。

歯周病は初期の段階では、ほとんど自覚症状がないのが特徴。重症化して、歯がぐらつきはじめてから気づくことも多く、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうケースも多くみられます。

歯周病の原因とは?

歯周病は、細菌性プラーク(歯垢)による細菌感染症です。お口の中には500〜600種類もの細菌が棲息すると言われており、そのうちの約20種類が歯周病の発症や進行に特に関係しているとされています。 また、歯周病は直接因子であるプラークの他に、先天的なある種の遺伝疾患や糖尿病などの全身疾患、さらにストレスや食生活、喫煙などの環境因子が関与する多因子疾患でもあります。

プラークが歯面に付着する量は、歯石の沈着や補綴物(歯に被せてある冠など)の不具合、むし歯、歯列矯正などのプラーク増加因子によって左右されるため、全ての人が同じように進行するとは限りません。

歯周病の進行には個人差があります。これには先に述べたような先天的な因子(遺伝性疾患、代謝性疾患、血液疾患)や後天的な因子(喫煙、糖尿病、後天性免疫不全症候群、栄養障害、骨粗しょう症)などが影響しているのです。

歯周病の治療

歯科衛生士のサポートが不可欠

歯科医院などでの治療は、患者さんのお口の中を診査・診断した上で、その人に適した治療計画に沿って行なわれます。

歯周病の予防及び治療の基本はプラークコントロールですが、これはセルフケアとプロフェッショナルケアの2種類に大別され、特に重要となるのが患者さん自身が毎日行うセルフケア。

歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなどの適切な使用方法を覚えることが大切です。一方、プロフェッショナルケアは、専門家(歯科医師、歯科衛生士)によって定期的に行うお口の衛生管理。セルフケアで取りきれていないプラークや歯石を専門的に除去することで、予防や治療後の維持・管理に欠かせないものとなります。つまり、セルフケアとプロフェッショナルケアは、どちらかが欠けてもいけない、プラークコントロールの両輪と言うことができるでしょう。

また、プラークが溜まりやすい口内環境の改善のため、歯石の除去や補綴物の修正などの処置が必要となることもあります。さらに、歯周炎に進行している場合には歯肉の再付着を促す治療、ケースによっては歯周外科という小手術を行うことも検討されます。このように治療を進めていく過程では必要に応じて治療計画が修正されますが、患者さんが歯周病に罹った背景や生活習慣等を理解し、しっかりサポートしてくれる歯科衛生士との出会いが、歯周病治療において大切なポイントになるでしょう。

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