日本歯科衛生士会概要・会長挨拶

会長挨拶

公益社団法人日本歯科衛生士会

会長 吉田 直美

会長 吉田直美

引き続き2年間、歴史ある日本歯科衛生士会の会長を務めさせていただくこととなり、その重責を改めて実感しております。1期目は、急逝なさった前会長の後任として選任され、会長業務を十分把握できないままのスタートでしたので、多くの方々に支えていただきながら全うすることができました。ご指導、ご協力いただいた皆様に心より感謝いたしております。2期目を迎え、職務の全体像がようやく見られるようになり、自らの理念をもって歩みを進めたいと考えておりますので、変わらぬご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

人生100年時代を迎えた今日、住み慣れた地域でできるだけ長く健康な生活を送れるようにと、地域包括ケアシステムの構築が進められています。地域保健医療では健康寿命を延伸するためのフレイル予防に重点がおかれており、多面的フレイルの中でもオーラルフレイルはいち早く起こり始め、他のフレイルのリスクを高めることから、その予防と早期発見、専門的介入が重視され、歯科衛生士の担う役割が重要となっています。また、高齢期にオーラルフレイルとならないためには、幼少期からの口腔健康づくりが重要で、そのためには定期的に歯科健診を受け、歯科疾患の早期発見・治療と予防を図ることが大切です。昨年、政府の骨太の方針において国民皆歯科健診の具体化が明確に打ち出され、全世代にわたる歯科健診促進をめざすこの施策においても歯科衛生士の役割が重視されています。このような歯科衛生士への新たなニーズに応えるためには、歯科衛生士の数の確保と知識・スキルの向上が不可欠であり、本会の復職支援・離職防止事業ならびに研修事業をさらに強化していきたいと考えております。

地域連携や医科歯科連携においては、口腔健康管理に関して、多職種と協働し、リーダーシップを発揮することが求められるようになっています。この役割を担うためには、歯科衛生実践の口腔健康・全身健康への有用性をエビデンスで示し、歯科衛生士の認知を高めることが重要で、学術面で一段の強化が必要であると考えています。そこで、日本歯科衛生学会学術大会内で、より専門領域に特化した発表と議論を行う場として専門領域別・研究集会を実施することを決定し、令和6年度より開催する運びで担当委員の方々に準備を進めてます。この学会事業を通して、歯科衛生士による専門的研究の充実・深化とより多くの研究者の育成が図れることを期待しています。

これからの2年間、新体制の理事や委員、そして都道府県歯科衛生士会と力を合わせ組織拡大に取り組み、社会の歯科衛生士への期待に応えられる組織としていきたいと思いますので、今後とも皆様のご支援とご協力を心からお願い申し上げます。

日本歯科衛生士会について

日本歯科衛生士会は1951年(昭和26年)10月に設立され、70年余を経過しました。

その間、全国の都道府県に歯科衛生士会が設立され、47都道府県歯科衛生士会とのネットワークをベースとして、定款規定に基づき次の事業を行っています。

目的

日本歯科衛生士会は、都道府県歯科衛生士会との連携のもと、歯科衛生士の資質の向上及び倫理の高揚ならびに歯科衛生の実践に根ざした学術研究の振興を推進し、あわせて、歯科衛生の普及啓発を図ることにより、国民の健康と福祉の増進に寄与することを目的としています。

事業

一 歯科衛生士の資質の向上及び倫理の高揚に関すること

二 日本歯科衛生学会の開催等、学術研究の振興に関すること

三 歯科衛生の普及啓発に関すること

四 歯科衛生業務の改善及び向上に関すること

五 歯科衛生の国際協力に関すること

六 都道府県歯科衛生士会等、関係団体との連携協力に関すること

七 その他本会の目的達成のために必要なこと

事業内容

Ⅰ.歯科衛生士の資質の向上及び倫理の高揚ならびに学術研究の振興により、歯科衛生士の人材育成を図り、国民の健康と福祉に寄与する事業

1.歯科衛生士の資質の向上及び倫理の高揚に関する事業

(1) 生涯研修事業

・専門研修の企画・運営・推進

・認定研修(認定歯科衛生士セミナー)の実施

・認定歯科衛生士の認定・登録・更新

・その他生涯研修に関すること

(2) 地域歯科衛生活動の指導者育成

・歯科衛生推進フォーラムの開催等

(3) 歯科衛生士の就業状況・意識等に関する実態調査

(4) 歯科衛生に関する国際協力

2.歯科衛生の学術研究の振興に関する事業

(1) 日本歯科衛生学会学術大会の開催

(2) 日本歯科衛生学会雑誌の発行、配布

(3) 学会運営会議等

(4) 研究助成

(5) その他学会の目的達成に必要なこと

Ⅱ.歯科衛生の普及啓発により、国民の健康と福祉の増進に寄与する事業

1.歯科衛生の普及啓発及び広報に関する事業

(1) 歯科衛生だよりの発行、配布

(2) 学生だよりの発行、配布

(3) 歯科衛生普及啓発用冊子等の発行、配布

(4) Webサイトによる歯科衛生情報等の配信

Ⅲ.地域の歯科衛生活動を支援することにより、国民の健康と福祉の増進に寄与する事業

(1) 大規模災害被災地の支援活動

(2) 地域歯科衛生活動の支援

Ⅳ.その他事業

1.都道府県歯科衛生士会及び地区との連携、及び会員管理等に関する事業

(1) 都道府県歯科衛生士会会長会の開催

(2) ブロック連絡協議会開催助成

(3) 会員拡大・管理・育成

2.会員の相互扶助に関する事業

Ⅴ.その他本会の目的達成のために必要なこと